【iOSDC Japan 2024 レポート】DAY 1「Wallet API, Verifier APIで実現するIDカード on iPhoneの世界」を聞いてきた。
はじめに
年に一度のiOSエンジニアの為のお祭りiOSDC Japan 2024に参加しています。
せっかくなので、参加したセッションのレポートを書きたいと思います。
Wallet API, Verifier APIで実現するIDカード on iPhoneの世界
登壇者
- 下森 周平さん
概要
近年、デジタル空間における個人認証の需要が増す中、iOSではiOS 15.4からWalletアプリへ運転免許証や州IDの搭載ができるようになりました。
更には、iOS 16からWallet APIを通じた個人情報の共有、そしてiOS 17からはVerifier APIを用いた対面での個人情報の共有が可能となりました。
これらの機能はまだ米国でしか使えませんが、マイナンバーカード機能がiPhoneに搭載されることが発表されるなど、日本でもIDカードのデジタル化に対する期待が高まっています。そこで、このセッションでは上記のデジタルIDに関連する機能が日本でも利用可能になった場合に備えて以下の内容を話します。
- デジタルIDを支える国際標準 ISO18013-5の概要
- Wallet API, Verifier APIで可能になるユースケースの紹介
- Wallet API, Verifier APIの具体的な実装例
- ISO 18013-5に準拠した対面での個人情報共有機能を実装する際に得られた知見の共有
このセッションを通じて、日本におけるデジタルID時代を一緒に妄想し、将来に備えましょう!
引用: fortee
資料
感想
このセッションでは、iOS 15.4以降で導入されたIDカードや運転免許証のデジタル化、そして将来的に日本でのマイナンバーカードのデジタル化に備えるための技術が解説されました。デジタルIDやAPIの実装例について詳しく紹介され、非常に分かりやすく理解できる内容でした。
モバイルeIDの利点として、相互運用性が高く、物理的なIDカードと比較して情報の偽造が難しいこと、さらに通信データが暗号化されているため盗聴が困難であることが利点として挙げられていました。
年齢確認の際に、物理のカードだと見えてほしくない情報まで相手に見せる必要があるが、デジタル化により特定の情報だけを提供できるようになるとのことで、例として紹介された未成年かどうかのみを画面上に表示する応用例は非常に実用的だと感じました。
また、個人情報を扱うということで利用する/利用されることの不安感はありましたが、使用にはAppleの審査が必要なので少し安心しました。
iPhoneをリーダーとして利用し、ID情報を読み取る方法についても具体的な解説とデモがありました。マイナンバーカードがWalletに登録できるようになれば、アプリ上での身分確認が簡単に行えるようになるので早くその未来がきて欲しいですね。
このセッションを通じて、デジタルIDの活用について「何ができるか」「どう備えるか」を深く理解することができました。実際の業務で「身分確認をアプリ上でしたい」という課題が出てきた場合はVerifier API
使いたいですね。
おわりに
普段なかなか触れられない技術を、20分でわかりやすく勉強することができるのがiOSDCの良いところだと改めて感じました。